もうひとつの卒業
「早苗。

一緒に行こう。

一緒に行って一つになろう。

僕らはそういう運命なんだ。

この世の中に、僕らに残されているものは何も無い。

やるべき事も見つからない。

早苗が死ぬなら、一人では行かせない。

最後くらい、僕の言うことを聞いてくれよ。

子供扱いは、しないでくれ。

僕はもう十分に生きた。

早苗で始まって、早苗で終わりたい。

誰に認められなくても良い。

僕達だけに理解できれば、それで良い」
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