もうひとつの卒業
「僕らが居なくなっても、誰も困らないんだよね」

拓馬が言った。

「悲しむ人が居ても、ホッとする人の方が多いわ」

早苗が言った。


その通りなのが、二人とも悲しかった。


「結局私達には生き続ける理由が無いのよ」

後になって、早苗がポツリと言った。

< 200 / 235 >

この作品をシェア

pagetop