もうひとつの卒業
「美鈴さん。

いつか目を覚ますかしら」

拓馬の後ろから早苗が言った。


「科学が進歩したら、目を覚ますかもね」

と、拓馬は答えた。

「でも」

と、拓馬は思った。

でも、もしも目を覚ました時に僕らが居なくなっていたら、美鈴はどう思うのだろう。


それでも、許さないかもしれない。

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