もうひとつの卒業
美鈴が落ちた場所に、バスが停めてあった奇跡の事を拓馬は思った。

早苗をホテルまで送ったバスの運転手が、宴会に加わり、移動が遅れたせいだった。

「生かされて居るんだろうか」

と、拓馬は思った。

「美鈴は死ぬはずだったところを生かされて居る」

と。

「何のために?」

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