もうひとつの卒業
その日はとても寒い日だった。


屋上には人っ子一人居なくて居るのは常連だけ。

管理人のおじさんと、さぼりのサラリーマン。

それと見慣れない人が居た。


ベージュのスタジアムジャンバーを着ていたわ。

高校生くらいで、でも学校に通ってるふうでもなかった。

私に笑いかけて来てあめ玉をくれた。

側によると変な匂いがしたわ。

病院で嗅ぐ薬のような匂い。

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