もうひとつの卒業
拓馬と早苗は、再び交わった。

まるで、初めての時みたいに新鮮だった。

肌の温もりを肌で感じる歓びを実感した。

すべてが静かだった。

時が静かに流れてその静かさを堪能した。

拓馬は全身を使って早苗の身体を確認した。

生きている身体を。

生きる目的を見つけた早苗の身体は、さっきまでとは全く違っていた。

生命があふれていた。

生命の泉があるのなら、今にもあふれそうだった。


あふれんばかりに、満ちていた。

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