もうひとつの卒業
部屋に入るとポタポタと、滴の落ちる音が響いた。

美鈴は部屋に積まれた段ボールの中からバスタオルを探した。


「拓馬、これで・・・、」

と言いながら振り向く美鈴は、固まってしまった。

拓馬のよく鍛えられた、しなやかな体が、今まさに、シャツを脱ぐところだったからだ。
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