もうひとつの卒業
「理解」

と美鈴は思った。

私は拓馬をどれだけ理解してるのだろう。どれだけ拓馬を知っているのだろう?


「美鈴といるとホッとするんだ。気持ちが楽になれる」

「まるで、歳を取った夫婦の会話みたいね」

「つきあいが長いからね。僕たち」

「でも、まだ、知らないこともたくさんあるでしょ。私達」

「たとえば?」
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