もうひとつの卒業
「拓馬!」

いつも、呼ぶように、
美鈴は大声で叫んだ。

拓馬はゆっくりと振り返った。
美鈴の視線は拓馬の胸に釘付けになった。


第二ボタンが無い。



何の約束もしてなかったけれど、でも・・・

いったい誰にあげたのだろう?

嫌な気分のまま、
それでも
笑顔で近づいた。
< 7 / 235 >

この作品をシェア

pagetop