もうひとつの卒業
拓馬の視線を追う。

「早苗先生じゃない!
誰かと待ち合わせかな?」


「さあ、どうだろう。
一人みたいだけど。
煙草を吸うんだね。意外だよね」


「そうかしら。たまに見かけてたけど。

職員室の中では、浮いた存在みたいよ。

そうそう、来週からバスケ部の顧問になるらしいわ」


「ええ!」

拓馬は自分でもびっくりするくらい
大きな声を上げた。

カフェテラスを見ると、
早苗は席を立った後だった。
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