もうひとつの卒業
用が済むと佐々木はリビングの真ん中にでんと座わり、タバコを吸い始めた。

早苗は仕方なくお茶をだして、向かいに座った。

しん、とした時間がなめるように過ぎた。


短い時間だが、早苗には永遠に感じた。

突然、うつむいていた佐々木が顔を上げて、捨てるように笑った。

「早苗先生さあ、ふとんをひきなよ」
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