あなたの恋人になりたいのです。
「なぁ、咲希?」
「ん?」
急な亮太くんの問いかけに戸惑ったが、気付かれないように返事をする。
「今、何考えてた?」
「へっ?」
亮太くんの質問の意味がわからず、ただ黙っていることしか出来なかった。
だって・・・。
“三浦先輩のこと考えてた”なんて言えるわけないじゃん。
そんな私の心を見透かしたように亮太くんは言った。
「そんなに利起が好きか?」
「へっ!?」
驚いて、また変な声を出してしまった私。
ビックリして、亮太くんの顔を見つめる。
私は・・・何故か心が悲しくなった。
この暗い夜道の中でもわかる。
亮太くんの表情。
私の見つめる亮太くんの表情は・・・・。
今まで見たことのないくらい・・・。
切ない表情をしていた。