あなたの恋人になりたいのです。
「ふぎゅっ...」
「おまえ、勝手にいなくなんなよ・・・心配する」
私を優しく包んだのは、額に汗を光らせる私の大好きな人だった。
「す、すいません・・・」
「あぁーまじ疲れた(笑)」
そう言って笑顔で私にデコピンした先輩。
でも、何か様子がおかしい。
いつも先輩しか見てない私ならすぐ先輩の異変に気付ける。
尋常じゃないくらいの汗。
わたしも知らないうちに全力でここまで走って来てたけど、こんなに汗かいてないし、こんなに時間もかかってない。
しかも、先輩が私より足が遅いなんて考えられない。
だって学年で1番足速いんだから。
「先輩どーしたんですか?」
「あぁ?なんもないけど?」
そんな顔に見えない。
私は心配になって先輩の体に異変がないか近づいてみた。
私には先輩が足をかばってる様に見えた。
単刀直入に聞いてみた。
「先輩・・・足どうかしたんですか?」
「へ?あぁ・・・なんもないって!帰るぞー」
そう言って歩き出した先輩。
でもやっぱり気になってしょうがない私。
もう完全に日は暮れていた。
これから家までだいたい30分くらい?
もし、先輩が本当に足を怪我してるんだとしたら・・・。
30分ももつだろうか?
あんなに汗をかいて。あんなに歩くのに力がはいって。
不安がもっと大きくなり、先輩の腕を思いっきり掴んだ私。
「なんだよ!帰るぞ?」
「先輩・・・その前に、足見せてもらえませんか?」
「なんでよ(笑)足フェチ?」
そう冗談半分で答える先輩。
でも、私・・・わかった。
先輩のことなら何でもわかるよ。絶対怪我してる。
「足見せてください!」
そう言って、先輩を近くの青いベンチに座らせ、引きずっていた方の足のジャージをまくってみた。
「なに・・・これ」