あなたの恋人になりたいのです。

優しさに触れて。


伝えてしまった気持ち。

それと同時に、気付いた気持ち。


私の返事を聞いた亮太くんの顔は・・・。


今まで、見たことのないくらい悲しい表情をしていた。


「そっか・・・!そんなの最初からわかってたし(笑)」


無理して笑う亮太くんの顔が・・・私の心を苦しめた。


亮太くん・・・ごめん。


確かに私、亮太くんのこと大好き。

だけど・・・。

その「好き」の気持ちは「恋」じゃなくて。「先輩」としてだと思う。
本当は、亮太くんのそんな顔は見たくないよ。ずっと笑っていてほしい。

亮太くんにそんな顔は似合わない。


「ほんと・・・ありがと」

「何が?」

「あたしなんかを好きになってくれて・・・」

「ばーか。何おまえが悲しそうな顔してるんだよ!笑え!」

「ほんと・・・ごめん・・・」


2回目に私が呟いた「ごめん」の後には亮太くんは返事を返さなかった。

私は、自分が振ったのに、涙が止まらなかった。
泣いていて、前なんて見えなかったけれど、多分・・・亮太くんが返事を返さなかった理由は・・・泣いてたからじゃないかな?


そう思えてならなかった。
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