あなたに逢えたから


第一志望の大学に受かった私は
真っ先に家に帰り両親に報告した。

「おめでとう」

と言ってくれるものだと思ってた。

でも、母は
「分かったから、座りなさい。」

ただ、それだけだった。

その場には父と母、6才離れた中学生の妹 咲希がいた。
妹はうっすら涙を浮かべている。

父が口を開いた。
「お前の受験が終わるまで黙っていたが、父さんと母さんは離婚する。咲希は母さんが引き取る。どちらに行くかはお前次第だ。お前はもう立派な大人だ。一人暮らししたければ、父さんはそれでもいい。」

「私達は一週間後には静岡のおばあちゃん家に行くから、それまでに決めてちょうだい。咲希の転入準備があるから、急いでるの。」

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