FANTASY KNIGHT
「村の再建、大変ですね」

ララがそう言うと、モルラは笑った。

「そうですね。でも必ず元に戻してみせます」

「私も頑張りますから!」

生まれた村に何も手を付けない訳にはいかない。
ララも今まで色々な事をしてきた。
働くのはもちろん、怪我の治療をしたり何も出来ない子供の面倒を見たりした。

ララの元気なかけ声に反応するかのように、肩に掛けていたバッグが動き出した。
そして中からひょっこりと緑色の生物が顔を出す。

「ウニュー」

長い耳がピンと立ち、黒い目がモルラを見つめる。

「トントも来てたんですね」

頭を撫でると嬉しそうに小さな手を振った。

一見、謎の生物に見えるが、これでもれっきとした幼竜である。
大きさは肩や頭に乗るくらい小さい。
五年前にララの家で卵から孵り、そのまま育てられているのだ。

「ニュー、ニュー」

ララに抱かれたトントはモルラに向かって何かを言っていた。
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