FANTASY KNIGHT
「あっ、そうだ!」

突然思い出したかのようにララが言った。

「そろそろ薬草が切れそうになってたんですよ!外に行かなきゃ!」

「え?えぇ、気を付けて下さいね」

手を振るとララはトントを抱いたまま走り去っていった。
トントが何を伝えたかったのかは分からなかった。



塀に囲まれた村の外は草原が広がっていた。
ララは人のいる中で育てた植物より、自然の中で育った植物を使っていた。

「今日はリリの花が咲いてるかな?」

いつもの薬草や花を摘む場所まで楽しそうに走る。
トントはバッグから顔だけを出している。

「ニュー、ニュー!」

「あら?」

突然トントがバッグの中へ潜ってしまった。
すると、ガサガサと周りから音がした。

「…魔物ね」

ララは持っていた武器を構える。
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