群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
「すっかり遅くまでお邪魔しちゃった♪」


夕方になり、外は薄暗くなって、外灯に明かりがともり始めた。


「今日は来てくれて、ありがとう…」


私と大ちゃんは駅までの道を並んで歩いている。


───家では、未来が大ちゃんを離さなくて、肝心の話ができなく…

『そろそろ帰るね』と言った大ちゃんを見送る形で、二人になることができた。


もちろん、未来も

『私も行く〜!!』

言ったけど


『くーちゃん、たまにはママのお手伝いしてね♪』


ママが引き止めた。

偶然なのか、必然なのか…


とにかく助かった。


『自転車で行ってね〜』

そんなわけで自転車付き。

ただ、『ボクが引くから』と、大ちゃんが引いてくれてる。


すると、大ちゃんの足が止まった。


「…おーちゃん、見て。」

「え?…何…?」


「───…ほら、空…」



そら?


私は見上げた。


「──…わぁ………」


太陽が沈む瞬間の


「…キレーな青。」


吸い込まれそうな空色。



「群青色っていうんだよ。」




群青──…。綺麗、だけど───寂しい色。



「───…おーちゃん、


ボクに話、あるんでしょ?」


大ちゃんが、私を見ないで、

はっきり聞こえる声で言った。

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