群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
「──あ、電車の時間!」

すっかり暗くなった空を見る。不安の色は消え、すべてを飲み込む暗闇……。


私は歩き出す。


「…おーちゃん」

「…ん?」

後ろから声がする。

大ちゃんは、まだ止まっている。

「最後に、───ギュッってさせて」

「……へっ?!」


慌てて振り返った。


「…これが最後。もう触ったりしないから。」


らしくない、弱々しい声。

なんか、痛々しい姿を間の当たりにしてしまったようで、…私の心臓がチクッとする。


………これが最後……。


「……わかった…。」


「ホントに…………?

ありがとう──ー…」


そう言うと、大ちゃんは、
ギュッと私を抱き締めた。

あったかい…。
大ちゃんの心臓の音が聞こえる──。


…大ちゃんだったら、大ちゃんのこと、ホントに好きな素敵な女の子、見つかるから…。それまで、お互い──…頑張ろうね。


いろんなことが頭をよぎった。

大好きな大ちゃん。
ごめんね、大ちゃん……。




『──何してんの!!』

──…その時、静寂を突き破る声がした。


聞き覚えのある声が…。


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