群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
どれくらい経ったのか……



──ガチャ。


慌てて顔をあげた。



「ごめん、起こした?」


「ううん、大丈夫。起きてたよ。」


大ちゃんに見えないように涙を拭って



「…晴海くん、どう?」
笑顔を作る。


大ちゃんは目を細めて私を見てたような気がしてたけど、


「今、目、覚めたよ。」



そう言ってキッチンに行き、冷蔵庫を開けた。



「ホント?!怪我の具合は?」


大ちゃんはグラスにミネラルウォーターを注ぎながら、



「体の傷、見てやろうと思って、めくったら悪態つかれた。あんだけ元気なら大丈夫だよ。」




「そう。──…よかった」


ホントに大丈夫なんだね。

それが聞きたかった。




「時間遅くなっちゃったけど……大丈夫?」


大ちゃんが時計を見てる。

すでに日付は変わってて、1時を過ぎていた。



「大丈夫だよ。明日…じゃないや、今日は日曜だから大学は休みだし」



笑って答えた。けど、なんか大ちゃんの表情が変わっていって…





「…おーちゃん大学生なんだよね。



……先生は?」




聞いてきた。


ドクン…嫌な音をたてる心臓を押さえながら、


「……今日は、生徒さんたちと学校に泊まってる…」


大ちゃんの目が怖くて…言葉がなかなか出てこなかった。


そのあとも、何から話せばいいのかきっかけが掴めなくて。お互いが無言になって……。




ふうっ───……大ちゃんの長いため息が聞こえた。
< 247 / 270 >

この作品をシェア

pagetop