群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
何も言えず、涼の後ろ姿を見つめていると…



「いゃあ、さっすが三崎センセー!カッコいいー♪」


真くんが嬉しそうに声を上げる。



束縛したがりのあの人が、こんなことをするのは、私を試しているに違いない…


どういう行動をとるのが一番リスクが少ないか?



早めにマンションに戻るしかないな…それが一番だ。

『私が気を利かせたのに』
そう嫌味を言われるかもしれないけど、彼らとの仲を疑われるよりはマシだ。


大ちゃんに何かあったら……。大ちゃんだけじゃない。真くんだって…晴海くんだって……。



晴海くん…。




「奥さん?どうかしました?」


真くんが私の目の前で手をブンブン振った。


「え、あ…なんでもないよ。

…それよりさ、『奥さん』って呼ぶの止めよ?」


間違ってはいないんだけど、未だに慣れないし、そう呼ばれることで、自分が涼の『奥さん』だって…認識するのが嫌だった。


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