ねぇ、こっち向いて?
そこにはカウンターの中で笑い合ってる二人がいた。
綺麗に巻かれた茶色い髪の女の人と。
照れたまーくん。
今見てるのが、夢ならいいのに……。
「…ごめんね…美世…」
ううん、アキちゃんが謝ることじゃないよ…。
あたしは小さく笑って、首を横に振った。
「でも、美世……泣いてる…」
謝るのは、あたしの方だよ…?
いきなり泣いてごめんね…。
アキちゃんはあたしを家まで送ると言ってくれたけど、あたしは断った。
これ以上、泣き顔なんて見られたくなくて。