ねぇ、こっち向いて？

あたしは、アキちゃんの言葉に鼻の奥がツーンとした。



……そうか、忘れてたよね…。

まーくんを、好きで好きで仕方なかった時の気持ちを。

……あたし、いつの間にか臆病になってたんだ。




「美世がもし泣く時は、あたしも一緒に泣くから…っ！
だから今は、伝えることを怖がらないで…？」


あたしの目からは、涙がポロポロと零れた。




「…あたし、今日まーくんのところに行ってくるね…。…がんばるから…」


ちゃんと、あの女の人のことを聞こう。

ちゃんと、好きだって伝えよう。




そして、あたしはアキちゃんと小さく笑いあった。