ねぇ、こっち向いて?
「――――…よ!…美世…!」
まーくんの、声だ……。
肩を揺すられ、目を渋々開ける。
すると、大好きなまーくんがぼやけながらも見えた。
「…まー…くん…?」
「うん」
その笑顔は、さっきまでの夢の中と同じものだった。
あたしは静かに起き上がり、まーくんに小さく微笑む。
「…さっきね、ちっちゃいまーくんが出てくる夢を見たの」
あんな最後みたいに、二人で笑い合えたらいいのに……。
「……夢だけど、とっても幸せな夢だったよ」
まるで、まーくんがあたしの気持ちに気付かない“今まで”みたいに幸せな夢だった。