―およげないにんぎょひめ―
「大丈夫?」
頭を抱えながらベソをかく菜摘に優しく話しかける。

「大丈夫…ぐずん…解ってるんだけどさぁ…先生も生徒も五月蝿い、なんか耐えられない」
「そうだよね、普通の子はなんでこうなんだろうね…」
「…っなんでみんな言うこと聞かないの?」
「みんな自分自身だけなら良い、他はどうでもいいと思ってるんだ。人間誰だってそうだよ。君だってそうだったでしょう?女子だけ雑誌の紙持ってきたときとか」
「確かにそうだよね…ごめん」
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