―およげないにんぎょひめ―
「わかったよ、今度から気をつけるから」

緋芭がそう言った後、菜摘は肝心の質問を口にする。
「あと昨日、何でお口の中にべろべろしたりキスしたりしたの?」
「え…それは…」

(やっぱり、言われちゃった…同じタイプだと思ってやったけど……。)
色々なものに繊細で敏感な菜摘は空気の読めない緋芭の気持ちを疑わしく感じた。

「菜摘が好きだから」
(は……!?)
頭が真っ白になってしまった。

この人、気持ち悪い…理解に苦しむ菜摘はそう思った。
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