―およげないにんぎょひめ―
そんな教師と生徒達に激怒した菜摘は特学から出ていき、屋上へ走っていく。
「普通の人間も嫌い、障害者も嫌い!教師も大っ嫌い!!なんで喧嘩しないで仲良くしなきゃいけないの!?」
胸が破裂するくらいに叫んだ。

菜摘と緋芭は普通学級と特別支援学級の日常茶飯事が嫌いである。
普通学級にいる健常者は知能指数が高く色々な趣味や努力をする反面、ルールを守らない、弱いものがいても他人のフリ、興味を示さない、非行に走るなどが多いだろう。

逆に特別支援学級にいる障害者は知能指数が低い人が多く、勉強や会話、生活習慣などで支障をすることがある。しかし、言うことに関しては聞くときは聞く場合がある。いつも元気いっぱいで純粋、優しくて、たくましい。

しかし、このふたりはどちらでもなく障害者と健常者の境に位置する軽度の知的障害を持っている。

ふたりは普通学級でも授業を受けているも、毎日健常者達に彼女達からの反応を面白がったり貶されたり、苛められたり…しかも教師の怒鳴り声に耐えなければならない日々を過ごしていた。
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