―およげないにんぎょひめ―
すると緋芭は菜摘の身体をグッと抱きしめ、じれったくこう言った。

「もうあいつらは何もかも嘘つきなんだ、私以外誰も信じない方がいいよ?」
「何よ!!あんた頭おかしいんじゃないの?所詮はあんたも嘘つきなんだよ…」
「単刀直入に言うけど、嘘じゃないから」
「…こんのバカ野郎!!」

菜摘が泣きながらそう叫び、身体を離そうとする。しかし無理矢理抱かれているために離すことはできなかった。
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