―およげないにんぎょひめ―
「…んんんっ」
(ねぇ、本当の友達になって…淋しいから…)
菜摘と同じく友達がいない緋芭はそう思った。彼女は菜摘と同じタイプの症状だったから解ってほしいのと、一緒にいてほしいという思いからキスをしたのであろうに違いない。

ふたりの心と心は交わすほどに熱くなった。そしてキスをした後は優しく舌を交わす。
緋芭の黒いショートカットと菜摘の赤いロングポニーテールが風になびいた。
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