薫風-君といた軌跡-
「まあ、これからに賭けようぜ?高校なったら女なんかいくらでもいるさ」
リュウが淡々と話す。
平気な顔して結構こう言うことも言う。
「女はいるかもしんねーけど、あいつはいねーよ」
酒が入ってる俺は
普段の二倍も三倍も面倒くさい男になる。
…確かに飲むたびに
こんなこと言ってるな。
でも、仕方ないんだ。
あいつだから。
「俺、こんなに人を好きになったの初めて。こんなに引きずったの、初めてだ」
自然に瞼が閉じる。
「…当たり前だろ」
リュウのその声を最後に
俺は眠りに落ちた。
「当たり前だろ。初恋なんだから」