パレット
不意打ちの告白に、つい、かわいいなんて思っちゃった。
「あー意外といるよねー、そういう人」
でも男の子にかわいいはないかな、と思って、言わないでおく。
「まじびびったー、ひとりでやってなくてよかったー」
そう言って、椅子の背もたれにのけぞってる。
……これは、かわいいでしょ。
神林くんが立とうとしないから、わたしもなんとなく机によっかかって待つ。
さっきは声しか聞こえなかったサッカー部が、目の前のグラウンドで走り回ってる。
「そういえば、今日は部活はいいの?」
「ん、午後は、今日は休み。体育館使ってる部活多いからな。自主的にトレーニングしてるやつはいるけど。俺もいつもはしてるよ」
だいぶ、2人で会話することには慣れた、かな。
そう思って神林くんの方を見てると、神林くんは急に起き上がった。
「戻るか」
「そうだね」