パレット
弓美は先にクラスに戻って、わたしは少しだけ早く会議室を閉めて、クラスに戻った。
クラスのカフェはもう材料が品切れで終わってたけど、みんななんとなく集まって雑談してて。
最終日には後夜祭がある。
近所の苦情にビクビクしつつ未だに校庭でキャンプファイヤーみたいに火を焚いて、いろんな出し物もあって。
その中でいちばん盛り上がるのはやっぱり、優秀だった模擬店、アトラクション、展示、パフォーマンスそれぞれに賞が発表されるときなんだけど。
なんとうちのクラスが特別賞で装飾賞をもらった!
「弥白ー垂れ幕かっこよかったからだよぉ!!」
「俺らも店の飾り付けがんばったしー!!」
そういえば、神林くんも内装係で、ノコギリ借りにきたことがあったっけ。
急にみんなにもみくちゃにされてわけがわかんないけど、でも、めちゃくちゃ嬉しい!!
クラスの代表の子が賞状を受け取ってるとき、神林くんがこっそりピースしてきたから、わたしも返してみる。
けっきょくあのことは、わたしと弓美と直昭さんと神林くんの秘密にしたんだけど。
もういいんだ。
弓美とも神林くんともちゃんと話せたし、こんな素敵な賞までもらえたんだもん。
後夜祭の最後は、小さな花火で締められた。
今年2度目の花火。
そして流れで打ち上げに行くことになったのは言うまでもなくて、ひとちゃんがまたファミレスを予約してくれた。
でも、前回よりずっと楽しかった。
前よりもクラスのみんなと仲良くなれたから。
もう、自分の気持ちに正直になるって決めたから。