『ねぇ。傘、入りなよ。』Ⅵ
「ありあ!!ありあ、待てよ!!」
足が早くないありあには
すぐ追い付いた。
そして後ろから抱き締めた。
『!?
やだ、離して!!
千隼なんて大っ嫌い!!』
大嫌い・・・??
そんな言葉、
ありあの口から
初めて聞いたよ。
俺は腕を離した。
「ごめんありあ。
ありあが俺のこと嫌いでも
俺はありあが好きだよ。」
だけど今日はキツすぎる。
「先、帰るな。」
そう言って俺は
その場を立ち去った。