『ねぇ。傘、入りなよ。』Ⅵ
しばらく沈黙が続いた。
その沈黙を破ったのは
ありあだった。
『大嫌いだなんて言って
・・・ごめん。』
俺は驚いてありあに
目線を向けた。
ありあは少し下を向きながら
話し続けた。
『あのあと、あたしがあそこに突っ立ってたら佐々木さんが来て・・・。』
ありあが口をつぐんだ。
鼻をグスッとすする音がした。
『話は、全部聞いた。
勝手に誤解して、
勝手に嫉妬して・・・。
本当にごめんなさい!!っ』
ありあは泣きながら言った。