『ねぇ。傘、入りなよ。』Ⅵ
佐々木が俺に抱き付く。
『ありがとう楢橋。』
ちょっとヤバい展開??
「落ち着いたか??」
俺はそう言いながら
自然に佐々木を身体から離す。
そしてちょうどその時、
『千、隼??』
俺の愛しい彼女の声が
聞こえた。
「ありあ??」
俺は声の聞こえた方に
目をやると、
ありあと視線がぶつかった。
ありあは俺と目が合うと
驚いた顔をした。
そして、くるりと振り返り
走って行った。
「ありあ!?」
俺は佐々木をおいて
ありあのあとを追った。