トリップ少女

カレンは夕日を思わせる美しいオレンジ色のドレスと、真珠のネックレスを身に着けていた



これらはカレンの美しさに夢中になった使用人がカレンの為に用意したものである



「これを着て王子様に見せてみては?あまりに美しいので、きっと王子様も褒めて下さると思いますよ」



そう言った使用人の言葉を受けて、カレンは王子に見てもらいたいと思ったのだ



カレンは王子の使用人が貸してくれたネックレスとドレスに着替えて身支度を整え、王子に見せに行こうと部屋を訪ねたところだった




カレンの目に飛び込んで来たのは結婚を申し込む王子とうれし涙を流して抱き合う別の女性の姿だった




カレンは胸が張り裂ける思いで、部屋に飛び込んだ





「どうして逃げるんだい?とても綺麗だよ」




カレンは首を強く横に振った




「否定することないよ。君は本当に綺麗だ。今まで見たことがないくらいにね。このオレンジ色のドレスも、君の金の瞳と金髪によく似合う」




王子はカレンの金髪に手を触れた




カレンは思わず王子を突き飛ばして、部屋から出て行った




「待って!!外は暗いから危ないよ!」



止める王子をよそに、カレンは海岸へ向かった


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