トリップ少女

カレンは城を出て、最初にカレンが倒れていた海岸にたどり着いた




「はぁ、カレンってば足速い!!」


「バカね、速く走るってことはどうなるか分かってるでしょ」



ミランと若菜は出て行ったカレンを追って、カレンのいるところまで泳いで行った




「カレン、痛みは…?」


若菜が心配そうに顔を覗き込む



カレンは青い顔をして、そのまま倒れこんでしまった



無理もない


一足歩くごとにナイフで刺した痛みが走るのだ


走るなんてしたら、その痛みは計り知れない




「カレン、カレンしっかり!!」


若菜は必死に揺さぶりかけた




カレンの目からは大粒の涙がとどまることなく流れていた




足の痛みと心の痛み




涙が止まるはずもなかった




カレンは若菜の肩に顔をうずめて、しばらく泣き続けていた



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