トリップ少女
「カレン、泣かないで」
若菜は何を言っても空虚でしかないと感じていた
カレンの背中をさすることしか出来ない自分がもどかしかった
カレンの涙が収まる気配はなかったが、いつまでもそうしているわけにはいかなかった
城の付近が騒がしくなってきた
もうじき、王子の使いの者がカレンを探しにくるだろう
しかしそれ以上の問題が浮上してしまった
現実的にもう王子と結婚は出来ない
つまり、カレンは海の泡になるしかなくなってしまった
本当に、このままでいいの?
私はまた、何もできないで、ただ見てるだけ?
私はこれで後悔しない?