月夜の太陽
コーヒーカップをソーサーの上に置き、真剣な顔をして私を見るお父様。


まさかこんな話をされるとは思ってなかったわよね…。



『ルナはどうしたいんだ?』

「ロナウド様の申し出を受けようと思ってる」

『どうしてそう思ったんだ?』

「…とても優しくて、私の事を誰よりも想ってくれているから…幸せにしてくれると思ったの」

『そうか…』



さっきまでの和やかな雰囲気は一変して、重く深刻な雰囲気になる。


お母様も何か言いたそうな顔をしているけど、口を開く気配はない。


お母様にはソルの話をしていたから、私の言葉に疑問を抱いているんだろう。



『もう、ルナの心は決まっているんだね?』

「私だって何も考えずに決めたわけじゃない。たくさん考えてこの決断が一番自分のためになると思ったの」



今の言葉に嘘偽りはない。


この決断がソルを救うことに繋がる。


ソルが幸せなら、私も幸せだもの…たとえ、私以外の女性が隣にいたとしても………。





< 142 / 471 >

この作品をシェア

pagetop