月夜の太陽
リオは俺の顔を見ると、いつもの無邪気な柔らかい口調で話しかけてきた。



『ソルはルナの指導係りだったんでしょう?』

『あぁ』

『ソルから見てルナはどうだった?』



リオは短い言葉の中にたくさんの意味を込めて質問するのが上手い。


どうだったという言葉の中には恐らく先輩としてだけではなく、男としてどうだったかということも聞きたいんだろう。


食えない奴だと思う。


だが、俺も素直に答えるつもりはない。



『ルナは何事にも一生懸命な奴だと思う。失敗は多かったがな』

「そうそう!!しっかりしてそうに見えて、おっちょこちょいなのよね!!テーブルは良く間違えるし、食器は割っちゃうし、それに……」

『エレナ?』

「ルナがいないとなんだか寂しい……せっかく仲良くなれたのに………」



エレナは段々と泣きそうな顔になる。


そんなエレナを慰めるかのように、リオは笑顔を向ける。





< 181 / 471 >

この作品をシェア

pagetop