月夜の太陽
私はその場を動くことが出来ずに、ずっとソルとお母様の様子を見ていた。


心臓は暴れてドキドキ煩くて、今にも破裂してしまいそう。


でも、何故ソルは眼帯なんてつけてるんだろう?


怪我?


そんなわけないよね…バンパイアなのに……。


ボーっとソルを見つめていると、お母様が私に気付き声を掛けてきた。



「ルナ?」



お母様の言葉にみんなが一斉に私のほうを見た。


少し驚いたような、緊張したような面持ちだ。


もう、あの時のように話しかけることはできない。


ここにいる私はエメラルディア家のルナなんだから。



「突然声が聞こえてきたものだから驚いたわ」

「ルナがここにいるなんて珍しいわね、1人?」



みんなにばれないように私は声色を変えお母様と話をしている。





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