月夜の太陽
『ステラはどの図鑑にも載っていないよ。私の想像から生まれた使い魔だからね』

「えっ!?」



元々存在する使い魔を呼び出すことは、多少力を持っているバンパイアなら誰でも出来る。


だけど、想像したものを具象化することは安易な事ではなく、力があるだけでは出来ない芸当だ。



『少しは見直してくれた?』

「少しどころじゃないわ!とっても凄い才能だと思うっ!!」

『ありがとう』



ロナウドが嬉しそうに笑うと、ステラもご機嫌そうな笑顔を見せた。


ステラはロナウドのことが大好きなんだろうなと思った。



『ステラの事を紹介したのはルナが初めてだよ』

「そうなの?どうして誰も知らないの?」

『もしもの時にはステラに動いてもらわなければいけないからね。その為には周りのものにステラの存在は知られていないほうが都合がいい』

「………もしもの時って?」



ロナウドが答えなくたってだいたい分かる。


何を想ってステラを生み出したのか………。


それでもロナウドの口から聞いておきたいと思った。





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