月夜の太陽
私の膝に気持ちよさそうに座っているステラを優しく撫でながら、ロナウドが笑みを零した唇を開いた。



『私にもしものことがあったら、ステラに母上の事を頼んであるんだ』

「でも、使い魔は主が命令しなければ攻撃も防御も、言葉を話すことだってできないわ」

『ステラは特別だよ。毎日少しずつ私の力を体に吸収させているからね』

「そうする事で他の使い魔と何か違いがあるの?」



ロナウドは私の膝からステラを離し、大事そうに抱きかかえた。



『ステラは意思を持っている。勿論主である私の言う事が一番だけど、心があるんだよ。だから私がいなくても話もするし、力だって発揮できる』

「でも…今は全然喋る気配がないじゃない……」

『人見知りなんだ、私と一緒でね。どうやら私と性格が似てしまったようだ』



ステラの存在はロナウドの心の支えになっているのかもしれない。


勿論アマンダさんの存在も。



「いつか、私と話をしてくれたら嬉しいな」

『きっとすぐに仲良くなるよ。私が好きなものはステラも好きだから』

「えっ………」

『いやっあのッッ好きって言うのはそうじゃなくて!!あの、えっとッッ……』



こんなに慌てたロナウドをはじめて見た。


それに顔も真っ赤。


私は思わず笑ってしまった。



「あはははっ!大丈夫よ、ちゃんと分かってるから。私もロナウドのこと好きだもの、同じバンパイアとして」





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