月夜の太陽
リオは倒れている奴の袖を捲り、目を細めている。


そして乱暴にまたそいつを転がすと、呪文を唱え始め奴らは灰になって一瞬で消えた。


振り返り俺たちを見たリオはいつもの笑顔だった。



『怪我はない?』

「も、もう…目を、開けてもだい、じょうぶなの?」

『大丈夫だよ』



目を開けたエレナは何が起こったのかという顔をしている。


それはそうだ、奴らはリオの手によって跡形もなく消されてしまっていつもとなんら変わりない店内だ。



『お前、何者だよ』

『直ぐに分かるよ。今日はゆっくり話しがしたかったのに邪魔が入っちゃったね』

『…………』

『リリアさん』

『…なんだい』

『僕の事を信用して下さいますか?』



リオの穏やかな笑顔に母さんは目を閉じ一息つくと目を開けいつものどっしり構えたような安心する笑顔を向けた。


だが、リオの提案に俺たちは全員驚き過ぎて言葉が出なかった。






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