月夜の太陽
みんなが集まる部屋に入ると、既に私とエレナ以外は席についていた。


フィズさんはエレナの姿を見て頬を染めている。


そんなフィズさんの隣にエレナも恥ずかしそうな顔をして腰を下ろした。


私はいつもの定位置。


リオの隣に腰を下ろした。



「やっぱりその髪の色と目の色がしっくりくるわね」

『僕もそう思うよ』



今までは当たり前の様にリオとこうやって笑い合っていたのに、ぎくしゃくした時期があったからかとても幸せな事だったんだと改めて思った。



『さぁ、食事にしよう』



お父様の言葉で大人数での食事が始まる。


食事の間何度もソルを見たが、ソルは一度も私を見てはくれなかった。


私を見ないどころか、全てのものを拒否しているかのような雰囲気だ。


そんなソルに誰も触れようとしない。


昨日の話を聞いて、むやみに触れることなどできない。


ソルはいったい何と闘っているんだろう……。






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