月夜の太陽
『少し、時間を頂けますか』

『構わんよ。ただ、そう長くは待てない』

『承知しています。ありがとうございます』



緊迫した空気の中、ステラはそんな事関係ないとでもいうように私の手をカリカリしてくる。


少しジッとさせようとステラに顔を向けると、ステラの目からは涙が流れていた。



「ステラ?」

"主…もう、大丈夫"

「ロナウドが目を覚ましたのね!?」



返事をする代わりにステラの顔はとても穏やかだった。



「お父様!!お母様!!」



私の言葉に2人とも微笑んでくれる。



「良かったわね。落ち着いたら様子見に伺いましょう」

「うんっ」

『喜んでいる時に言いたくはないが、ルナお前は少し反省しなさい』

「………はい」



お父様の言うとおり。


私とロナウドの手に負えないことだと薄々感じていたのに、2人でどうにかしようとしてしまった。


もっと広い視野で見ていれば直ぐにわかることだった。


私たちだけの問題だけではないと言うことに。






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