月夜の太陽
『ウェルヴィアという国と正面から向き合うようになったのは、実のところ王に就任してからだ』

『それまでは何をお考えだったんですか?』

『愛するローズの事を一番に考えていた。それが私の全てだった』



愛しい顔をしながら話をするシエル様を見ていると、どれ程ローズ様を思っているのか伝わってくる。



『ローズを取り返しに行くときも自分はもしかしたら死ぬかもしれないと思っていた。その時は申し訳ないが弟のセリアルにこの国を託そうと考えていた』

『darkmoonに連れ去られたローズ様を助けに行く時ということですか?』

『初めてカインと会って直感した。こいつは一筋縄ではいかないと、ね』

『カインは自力で純血の力を扱えるようになったんですか?』

『ジオラの話を聞いた限りその様だな』



たった1人で純血の大きな力を自分の物にした。


それほどまでに力を得たいと思うほどの執念があったのだろうか。



『そのカインの血を受け継いでいるお前は大きな力を秘めているだろう。ましてや、ルナの血も混ざっているんだからな』







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