月夜の太陽

薔薇の中の剣

シエル様と話をしてから3、4日が過ぎた。


母さんは只いるだけでは申し訳ないと、友人である女官長の仕事を手伝っている。


兄貴は主に図書室かリオと一緒にいる。


俺はたいていルナと一緒に過ごしている。



「お父様が夕食後はお客様が来るから、少し残って欲しいって言ってたわ」

『客?俺もいて大丈夫なのか?』

「うん。みんな残って欲しいんですって」

『分かった』



柄じゃないが、今日はテラスでルナとお茶をしている。


テラスという場所もそうだが、お茶なんて俺らしくない。



「少しはここの生活に慣れた?」

『まだ慣れない』

「そっか…まだそんなに日も経ってないし、しょうがないか」

『ここで働く者は幸せそうだな』

「ロナウドもそんな事を言ってた。どうしてそう思ったの?」

『みんな笑顔だからな』

「この雰囲気を作ったのはお母様なんだって、お父様が言ってた」



そう言われてみれば、ローズ様が使用人に気さくに話しかけているところを良く見る。


勝手なイメージだが、貴族や王族はもっと他の者を見下したような態度をとるものだと思っていた。


でも、この城の中は温かい空気に包まれている。







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