月夜の太陽
夕食の時間も終わり、お茶をしているとドアがノックされ使用人が入ってきた。



「ジェイド様がお見えになりました。こちらにお通ししても宜しいでしょうか」

『あぁ、通してくれ』

「かしこまりました」



使用人は深くお辞儀すると直ぐに出て行ってしまった。


ジェイド様?


どこかの王族でそんな名前の王子がいたような気がしなくもない。


ドアが開き、入ってきた男性はシエル様とはまた違った妖艶さがあるなと思った。


すぐに純血だと分かった。



『こんなにいるとは思わなかったから驚いたよ。初めての方が大勢いらっしゃいますね、私はジェイドと申します。以後お見知りおきを』



ジェイド様の挨拶に俺たちは慌てて立ち上がり、みんな同じく慌てて頭を下げた。


そんな光景を見てシエル様たちは笑っている。



『急に呼び出して悪かったな』

『そんな事ないよ。ローズに会えるならどんなに忙しくても時間を作ってお邪魔するよ』

『いい加減女をつくれ』

『こんなにローズの事を愛しているのに、他に女を作れなんて酷い男だね』



シエル様とジェイド様のやり取りを可笑しそうに笑ってみているローズ様。


ルナとリオも慣れているのか普通にお茶を飲んでいる。






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