月夜の太陽
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シエル様が言っていた通り、訓練はどれも厳しいものだった。


だけど、俺の為にいろんな凄い人たちが時間を割いてくれている。


たとえそれがシエル様からの頼みで皆断れなかったにしろ、ありがたい事だと思った。



『一度力を全て解放したから、大体自分がどの程度の力を持っているかはちゃんと理解できているね?』

『はい』

『術を使うときに注意しなければいけないことがある。それはたとえどれだけ自由自在に術を使いこなせるようになったとしても、基本的なことを忘れてはいけない』



術を学ぶ前に、シエル様に強力な結界を張ってもらい、その中で俺は初めて自分の力を解放した。


解放の仕方は勿論分からなかった為、ジェイド様が力を引き出してくれた。


自分の力なはずなのに、俺はその力に恐怖を抱いた。


本当に俺はこれを上手く扱うことができるのだろうかと。



『術によって注ぎ込む力の量が違ってくる。少なすぎれば発動しないし大きすぎれば我が身に跳ね返ってしまう』

『はい』

『それと、力の量は術者によって違う。むやみやたらと使ってしまえば己の命を削ることになる。そうなればどうなるか分かるよね』

『死に至るということですよね』

『その通りだ。あと、術を使うにはそれ相応の精神力も必要になる。リスクの高い術になればなるほど思いの強さも必要になる』



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